ねじでよくある話
ねじやボルトを締める時にありがちな話で
『◯◯N・mで締めたから、ちゃんと締まっている』
とか言う人がいる。
普通の人なら『そうだなぁ』であるが、何をもってちゃんと締まっているのかって所がポイントである。
ねじが締まる仕組み
ゆるくいきたいので、あんまり複雑には書きたくないのだが、
ねじは、小さな斜面をらせん状に巻いたような形をしていて、これを「ねじ山」という。ねじを回すと、ねじ山が互いに引っかかりながら進むことで、ねじは材料の中に入っていく。
この回転運動を直線運動に変える機構の動き
が「締まる」ということになる。
直線運動で発生した力で締める
ねじが締まるというのは、実際にはねじ山が材料に食い込むことで、ねじと材料の間に直線運動で発生した力=軸力が生まれ、その力がねじを固定するわけだ。
この軸力が十分に大きければ、ねじは緩むことなくしっかりと固定される。
しかし、この力が弱いと、振動や衝撃でねじが緩んでしまう可能性がある。
トルクと軸力の関係であるトルクは、ねじを締める際にかかる回転力のことで、単位はN・mで表す。トルクが大きければ大きいほど、ねじ山が材料に深く食い込み、より強い軸力が生まれる。しかし、トルクが過大になると、ねじ山が破損したり、材料が変形したりする恐れがあるため、適切なトルクで締めることが重要だ。
実際の計算は複雑だが…
ここで、覚えておきたいねじの計算式は次の式である。
$$ F = \frac{T}{k \times d} $$
T :トルク(N・m)
F :軸力(N)
d :ねじ呼び径(m)
k:トルク係数
もっと厳密に計算する公式もあるのだが、それはインターネットでググれば出てくるし、書籍もたくさん出てるからそちらを参照してほしい。
この計算式で技術者が一番判断に困るのがkのトルク係数の値になるであろう。
ここの値について、どういった値にするかで軸力に大きく差が出るのである。
トルク係数kの値
実際の設計現場で図面書いてる時に、毎回ねじやボルトの径を計算していくのは、非常にスピードが遅くなってしまう。
インターネットや、書籍で書き方やトルク係数の数値が違っているし、幅で記載してkの値は0.15〜0.25で書いてあって、どの値にして計算するのがいいか判断がすぐにできないものになっている。これは困った。ねじやボルトのサイズが決まらず全然設計が完了しないのである。
そこで概算で考えてトルク係数 k=0.18
あくまで概算で設計スピードを上げるため筆者はトルク係数を
$$ k=0.18 $$
で計算している。
この0.18だが、凝着説による理論摩擦係数から持ってきているのだが、こういう数値を各技術者が持っていると、設計スピードが格段に上がる。
技術者によって色々見解が別れる部分であるとは思うが、是非自分なりに考えてみてほしい。
最後に
冒頭にあった『◯N・mで締めたから、ちゃんと締まっている』は、『ねじ径◯mmは、◯N・mで締めると(トルク係数0.18で計算して)◯Nで締まっている』というと、あー技術者らしいなぁと思えるのである。
ねじの話は奥深いので今回はこの辺で。



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