技術士2次試験(機械部門)の過去問題をChatGPTに解かせてみた

AI

はじめに

技術士は、日本における高度な技術者資格であり、その資格試験は非常に難関である。特に、2次試験は専門的な知識と実務経験が求められるため、多くの受験者が苦戦する部分であり、限られた時間で論文を仕上げないといけないため、問題を読んですぐに文章を組み立て書き始めないと時間が全く足りない経験もしたことが筆者にもある。

勉強方法としては、事前に論文を多く書いておき、いろいろな分野から問題を出されても、すぐに自分の経験と紐付けれるように準備しておくことになる。筆者が試験勉強をしていたときには、現在のような優秀なAIは存在していなかったため、このような勉強方法は思いつかなかったが、今回はAIであるChatGPTに技術士2次試験の過去問題を解かせ、その可能性と勉強方法を探ってみることにした。

試験問題の選定と解答

技術士2次試験の過去問題から問題を選び、ChatGPTに解答させました。選んだ問題は令和6年度機械部門のI-2の問題を選んでみた。(I-1はなんか普通に難しい、、、、100分の1に小さくするときの想定を試験の場でするなんて、この問題を選択した人尊敬してしまいます。)

問題: I-2の問題文

日本の製造業は高性能かつ信頼性の高い製品を大量かつ安価に生産することで、時は世界市場を席巻することができた。 しかし近年は他国における技術力の向上、生産性及び品質の向上、価格競争等の影響から世界的な競争力を失いつつあり、国内資源が乏しく加工貿易を軸にしてきた日本全体の経済活動を今後持続していくための戦略が必要とされている。
対応策としてイノベーションを推進すること等が提唱されているが、より具体的な策として、他国製品に対して大きな競争力となる新たな付加価値をつける、あるいは現在の付加価値を他の追随を許さないほどに強化することが考えられる。
現在の日本を取り巻く様々な状況(人口、教育、経済、環境保護等)を踏まえたうえで、以下の問いに答
えよ。
(1)機械製品を1つ想定し,その製品に対して機械技術者の立場から考えたときに有効と考えられる付加価値を1つ提案せよ。
さらに、その付加価値の実現のためにどのような課題が考えられるか、多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考えるものを1つ挙げ、これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の技術的な解決策を示せ。
(3)前問(2) で示したすべての解決策を実行しても残存しうる若しくは新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理,、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を題意に則して述べよ。

ChatGPTの回答:

(1) 付加価値の提案と課題の抽出

想定する機械製品として「次世代産業ロボット」を考える。提案する付加価値は、「高い柔軟性と適応力を持つ自律的な制御機能の強化」である。この付加価値により、複数の工程を一台で担うことが可能となり、効率性の向上が期待できる。

この付加価値の実現には以下の課題が考えられる:

  1. 技術的課題:高度なAIとセンサー技術の統合が必要であるが、これらの技術を現行のロボットシステムに適用するためには大幅な改良が必要となる。特にリアルタイムでのデータ処理能力と正確なフィードバック機能の実装が求められる。
  2. 経済的課題:高性能なセンサーやAIチップの開発には高コストが伴う。これにより製品価格が上昇し、他国製品との価格競争力が低下する可能性がある。
  3. 社会的課題:自律的なロボットの普及により雇用の喪失が懸念される。特に単純作業を担う労働者に対しては職を失うリスクが高まり、社会的な不安が増す可能性がある。
(2) 最も重要な課題とその解決策

最も重要と考える課題は「技術的課題」である。技術的課題がクリアされなければ、他の課題解決も不可能であり、製品そのものの価値が確立されないためである。

解決策

  1. リアルタイムデータ処理の高速化:エッジコンピューティングの導入により、ローカルでのデータ処理を高速化し、リアルタイムでの適応力を高める。
  2. AIアルゴリズムの最適化:機械学習モデルの効率的な学習と推論を実現するために、特化型AIチップの開発を進める。これにより、低消費電力で高性能な制御が可能となる。
  3. センサー技術の向上:高精度なセンサーの開発により、環境変化に迅速に対応できるようにする。特に、3Dビジョンセンサーを活用し、複雑な物体認識や位置推定の精度を向上させる。
(3) 残存リスクとその対策

これらの技術的解決策を実行しても、以下のようなリスクが残存し得る:

  1. システムの複雑化による障害リスク:複雑なAIシステムやセンサーシステムは、エラーや障害のリスクを高める。これに対しては、システムの冗長性を確保し、障害時のバックアップ機能を強化することが必要である。
  2. サイバーセキュリティリスク:高度な自律機能を持つロボットは、サイバー攻撃の対象となる可能性がある。これに対しては、強固なセキュリティプロトコルの導入や定期的なシステムのセキュリティチェックを実施することが重要である。
  3. 人とロボットの共存における安全性リスク:自律的なロボットは、人間との共存環境での安全性確保が求められる。安全停止機能や人間の動きを予測し回避する機能の強化が対策として考えられる。
(4) 技術者としての倫理と社会の持続可能性

技術者としての倫理的観点からは、ロボット導入が社会にもたらす影響を深く理解し、技術の開発が人間の生活や雇用に与える影響を考慮することが求められる。また、持続可能性の観点からは、環境負荷を低減する技術開発やリサイクル可能な素材の利用を推進する必要がある。これにより、社会全体の持続可能な発展に寄与する技術の開発が期待される。

結果と考察

ChatGPTは、技術士2次試験の問題に対して一定のレベルで解答を生成することができそうだ。特に、一般的な知識を活用した解答や、論理的な考察を要求する問題においては、有用な回答を提供することができる。しかしながら、ほんとに普通な回答であり、技術士2次試験が求める実務経験に基づいた専門的な知識や、具体的な技術的詳細については、やや不十分な部分もあるようにみえる。ほんとにこの仕事をした経験あるの?という疑問が出てしまう。

結論

ChatGPTを用いて技術士2次試験の過去問題を解かせることで、AIがどの程度まで専門的な知識を持っているかを確認することができた。ChatGPTは広範な知識を持つ一方で、特定の実務経験に基づく問題には限界があることがわかった。今後の技術の進歩により、さらに高度な問題にも対応できるようになることが期待されるが、現時点では、技術士試験の補助的なツールとしての利用に留まると言えるだろう。いろいろな問題を想定し、その論文の骨子をつくるうえで参考にはなりそうである。

参考文献

この記事が、技術士試験の勉強やAIの活用方法について考える一助となれば幸いである。技術士を目指す皆さんの健闘をお祈りします!

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