FMEA(Failure Modes and Effects Analysis)は、製品やプロセスの潜在的な故障モードを識別し、その影響を評価するための重要な手法である。この分析手法は、リスクを最小化し、品質を向上させるために広く利用されている。今回は、ClickUpを活用してFMEAを効率的に実施しマネジメントする方法について紹介したいと思う。ClickUPにてFMEAを作製するにあたっては、別記事のClickUpで設計FMEAを管理するためのテーブル作成ガイドを参照。
まずFMEAとは?
まず、FMEAについて簡単に説明します。FMEAは以下のステップで構成されている。
- 故障モードの識別:どのような故障が発生する可能性があるかを特定します。
- 影響の評価:その故障がどのような影響を及ぼすかを評価します。
- 原因の特定:故障の原因を特定します。
- 検出方法の評価:故障が発生した場合、それをどのように検出できるかを評価します。
- リスクの優先順位付け:各故障モードのリスクを評価し、優先順位を付けます。
- 改善策の実施:リスクを低減するための対策を実施します。
ClickUpでFMEAを実施するメリット
ClickUpは、プロジェクト管理ツールとして非常に優れており、FMEAの実施においてもその強力な機能を活用できます。以下はClickUpを使用するメリットである。
- タスクの管理:FMEAの各ステップをタスクとして管理し、進捗状況を可視化できる。
- コラボレーション:チームメンバーとのリアルタイムコラボレーションが可能で、コメントや添付ファイルを通じて情報を共有できる。
- カスタムフィールド:各タスクにカスタムフィールドを追加して、FMEA特有の情報(例えば、RPN: Risk Priority Number)を管理できる。
- テンプレートの使用:FMEAのテンプレートを作成し、今後のプロジェクトでも再利用できる。
ClickUpでのFMEAの設定方法
1. スペースとリストの設定
まず、ClickUpで新しいスペースを作成し、FMEA専用のリストを設定する。このリストの別タブにテーブルとしてFMEAを作ると下記写真のようになる。

2. タスクの追加とカスタムフィールドの設定
部品の構成の大分類をタスクとして追加し、またサブタスクとして、部品を構成する機能部に分類して記載し、テーブルの列に以下のカスタムフィールドを設定する。
- No.:表の並びを整理するためのナンバー。カスタムフィールドの#をにて、私は3桁の数字を使ってメインタスク、サブタスクの並びをソートで制御している。
- 故障モード:サブタスク記載の機能部の想定破損モードを記載。
- 故障の原因:故障モードが起きた原因を記載。
- 故障の影響:故障モードが及ぼす影響を記載。
- 影響度:故障が起きた場合、市場やユーザーに与える影響度をドロップダウンリストの数値で記載。
- 現在の故障が起きないための設計:現時点で故障が起きないようにするためどのような設計をしているか記載。
- 発生度:故障がどのくらいの確立で発生するかをドロップダウンリストの数値で記載。この数値は設計者以外の第三者に評価してもらうのが良い。
- 検出度:故障が市場や工場の検査、組み立て時に検出できるかをドロップダウンリストの数値で記載。この数値は設計者以外の第三者に評価してもらうのが良い。
- RPN:カスタムフィールドの『fx formula』を使って、影響度×発生度×検出度の掛け算をクリックアップに実施させる。この数値が高いものは改善設計を有する。RPN値については、いくらの数値だと改善設計をしないといけないのかをルールを作っておく。
- 改善設計:RPN値が高いものについては、改善設計案を記載し、その後、設計担当者、期日を記載し、設計確認したのち、再びRPN値が改善できているかを設計者以外の第三者が数値をつける。
3. テンプレートの作成
FMEAの一連のタスクをテンプレートとして保存し、将来のプロジェクトで再利用できるようにする。これにより、効率的にFMEAを実施できるようになる。
4. コラボレーションと進捗管理
チームメンバーをタスクにアサインし、各ステップの進捗を追跡する。コメント機能を活用して、フィードバックや追加情報を共有していく。
FMEAは最初設計が作成するが、このデータを製造側にも共有し、引き続き列を増やして工程FMEAとすることで、設計管理が抜けもれなくなる。
5. レポートの生成
ClickUpのレポート機能を使用して、FMEAの進捗やリスク評価の状況を可視化する。これにより、経営陣や製造部門への報告がスムーズに行える。
まとめ
ClickUpを活用することで、FMEAを効率的に実施し、リスクを管理することができる。タスク管理、コラボレーション、カスタムフィールド、テンプレート、レポート機能を駆使して、チーム全体で効果的にFMEAを進めれるようにしていく。これにより、製品やプロセスの信頼性を向上させ、品質を確保することが可能となる。



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